使い方も!エシカル・エシカル消費とは?
エシカル・エシカル消費とは?
「エシカル」って言葉、聞いたことがありますか?「エスニック」と混同してしまっている人もいますが、全く違う概念です。最近ではエシカルファッションなども広がってきています。そんな「エシカル」について今回は紹介していきます。
エシカルの定義は?
エシカルとは、英語で”ethical”と書き、その直訳は「倫理的な」です。「倫理的な」という言葉では堅苦しいので、一般的にカタカナで「エシカル」と言います。「倫理的である」ということは、すなわち法律などで禁止されていなかったとしても、一般的に考えて正しいことをしましょうということですね。
英語圏では、「エシカル〇〇」という言葉が広く使われるようになり、「エシカル消費」や「エシカルファッション」という言葉は日本にも広まってきました。多くの場合、「環境や社会に配慮した」といった意味を含んでいます。
一般社団法人エシカル協会 代表理事の末吉里花さんによるとエシカル消費の定義は、「『人と社会、地球環境、地域のことを考慮して作られたモノ』を購入・消費する」ことであるとされています。
エシカルの用語・具体例
エシカルという言葉は、一般的にエシカル〇〇という使い方をされます。Wikipediaによると、以下のような使い方が一般的な用語であるとされています。
エシカル消費
その商品を購入することで環境や社会問題の解決に貢献できる商品を購入し、そうでない商品は購入しないという消費活動を指す。日本語表記としては倫理的消費もある。Ethical consumption.
エシカルファッション
以下のような過程で作られた衣類、ファッション雑貨やアクセサリー及びそれらを重視したスタイルを、エシカルファッションと呼ぶ。
素材の選定、購入において、テキスタイルであればオーガニックコットンや天然染料のものを使う、皮革であれば食肉の副産物を利用する、浄化システムを完備した工場で作られた素材を使う、金具パーツであれば紛争の資金源になるようなメタルは使わないなど。
企画・デザインにおいて、材料の無駄がでないようなデザインを心がける、大量生産や廃棄を促進するファストファッションではなく、定番のアイテムを企画・デザインするなど。
製造において、フェアトレード(最低価格の保証、フェアトレード・プレミアムの支払い、長期的な安定した取引、前払い、児童労働・強制労働の禁止、安全な労働環境、民主的な運営、労働者の人権を守るなど)や環境負荷の低減(CO2や水を大量使用しない、毒性の高い成分を河川や大地などに排出しないなど)などに配慮する、手仕事や伝統技法を多用するなど。
エシカルジュエリー
エシカルファッションのうち、特にジュエリーをエシカルジュエリーとカテゴライズすることもある。人や社会・自然環境に配慮をした素材(フェアトレードやリサイクルの素材)を使用して作られる。
紛争ダイヤモンドなど紛争の引き金となる素材を使用しないことや、採掘や生産の過程において不当に低賃金な労働や児童労働が存在していない鉱物を使用したジュエリーのことを指す。また、「負の要素」のないジュエリーとして、結婚指輪等の記念的な用途にも用いられる。
エシカルヒーロー
自分の利益を犠牲にしても倫理的に正しいことを行い賞賛される人物をエシカルヒーローと呼ぶ
エシカルハッカー
高い倫理観と道徳心を兼ね備え、高い技術を持ったハッカーのことをエシカルハッカー(またはホワイトハッカー)と呼ぶ。
エシカルインベストメント
エシカルの概念を判断材料に採り入れた投資手法。この考え方で設定されたファンドをエシカルファンドと呼び、エコファンド等と共に、SRI(社会的責任投資)の一形態とされる。
エシカルビューティー
美容を通じて社会や環境に配慮する考え方で「ヘアー、ネイル、メイク、ファッション、フード」などすべてを通じて女性が美しくなる過程で その行為が環境と社会に配慮したものであるという考え方。佐藤公祥氏発足による美容師が発信するエシカルな活動。
エシカル消費はどのような社会問題に貢献できるの?
では、こうしたエシカル消費を行うことによってどのような社会問題に貢献することができるのでしょうか。
直接的には、先進国の人々による途上国の生産者への搾取を抑制することができるとされています。大量生産・大量消費の現代において、先進国の人々は少しでも自分が得するよう、より良い、そしてより安い商品を求めます。結果としてそのしわ寄せが途上国の生産者に向かってしまうのです。
少しでも多くの人がエシカル消費を心掛けることができれば、途上国の人々に対する搾取を抑制でき、労働環境の工場や貧困の改善に貢献することができます。
エシカル消費の参考になる情報:認証制度
では、私たちはどのような消費活動を行うことで、エシカルな消費をすることができるのでしょうか。
その最もわかりやすい指標は、各種「認証制度」です。環境ラベルやフェアトレードマークに代表される認証は、その商品が、ある程度の各種基準をクリアしていることの保証になります。マークによって保証しているものは異なりますが、いずれにせよエシカル消費と強く関連しているということができるでしょう。
認証マークの例
フェアトレードマーク
有機JASマーク
レインフォレストアライアンスマーク
グッドインサイドマーク
バードフレンドリーマーク
また、こうした環境や社会配慮した商品を選ぶことを「グリーン購入」といいます。
おわりに
エシカル、あるいはエシカル消費といった概念は、まだ日本では広く浸透していません。しかし、大量生産・大量消費を行っている日本において、エシカル消費が浸透すれば、途上国の生産者の生活の質は大幅に向上すると考えられます。
スーパーで同じ二つの商品を見比べたときに、認証ラベルのついた商品を選ぶなど、日ごろの生活において一人ひとりが意識することができれば、持続可能な社会の実現へと一歩近づくことができるでしょう。
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参考
Daiwa House Group 「エシカルとは」