欧米では4Rが主流! 3Rって?違いは?【5R,7R,10Rも】英訳あり
3Rって?
3Rが何を表しているか、知ってしますか?小学校の社会科の授業でも出てきますし、ゴミ捨て場などにも書かれていたりしますよね。よく知っている人も多いかと思いますが、4R、5R、7Rといった新しい概念も出てきています。
また、3Rには、優先するべき順番もあるのです。今回はその”3R”について考えていきましょう。
3Rとは
3Rとは、以下の3つの英単語の頭文字”R”をとったもので、環境配慮に関するキーワードであるとされています。日本語では、それぞれ「減らす」「再利用する」「再資源化する」といった意味を持ちます。
“Reduce(リデュース)は、使用済みになったものが、なるべくごみとして廃棄されることが少なくなるように、ものを製造・加工・販売すること
Reuse(リユース)は、使用済みになっても、その中でもう一度使えるものはごみとして廃棄しないで再使用すること
Recycle(リサイクル)は、再使用ができずにまたは再使用された後に廃棄されたものでも、再生資源として再生利用すること”
3R活動推進フォーラム
また、3Rを実践することで、ごみを減らすことができ、循環型社会をつくるための一助となるとされています。
”3R活動とは、上の3つのRに取り組むことでごみを限りなく少なくし、そのことでごみの焼却や埋立処分による環境への悪い影響を極力減らすことと、限りある地球の資源を有効に繰り返し使う社会(=循環型社会)をつくろうとするものです。”
3R活動推進フォーラム
ここまでは、一般的に多くの人が知っているのではないでしょうか。では、次に3Rの具体的な実践例を見ていきましょう。
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3Rの具体的な実践例
3R推進協議会 によると、Reduce、Reuse、Recycleそれぞれにおいて、消費者の視点と事業者の視点から、以下のような具体例があるとされています。
Reduce(リデュース)
(消費者の視点)
○マイバックを持って無駄な包装は断る。
○詰め替え容器に入った製品や簡易包装の製品を選ぶ。
○耐久消費材は手入れや修理をしながら長く大切に使う。
○利用頻度の少ないものは、レンタルやシェアリングシステムを利用する。
○耐久性の高い製品や省資源化設計の製品を選ぶ。
○使用頻度の少ないものをシェアする。
(事業者の視点)
○製品を設計する時に、製品ができるだけ長く使えるように工夫をする(耐久性、修理性等)。○製品を設計する時に、製品ができるだけ少ない材料、部品等で構成されるように工夫する(省資源化)。
○製品をつくる時に、原材料を無駄なく効率的に使うように工夫する。
○修理や点検等のアフターサービスを充実することにより、製品の長期使用促進に努める。
○簡易梱包、簡易包装、詰め替え容器、通い箱等の利用、普及に努める。
○機械器具等の手入れ方法や修理方法を工夫して長期使用に努める。
○利用頻度の少ないものをシェアする仕組み、不用品を有効に活用する仕組みをつくる。
○耐久性の高い製品や省資源化設計の製品を選ぶ。
○食品ロスを削減する仕組みを作る。
Reuse(リユース)
(消費者の視点)
○リターナブル容器に入った製品を選び、使い終わった時にはリユース回収に出す。
○フリーマーケットやガレージセール等を開催し、不用品の再使用に努める。
(事業者の視点)
○製品を設計する時に、本体や部品のリユースがしやすいように工夫をする。
○使用済製品を回収して本体や部品を再生し、再び新品同様の製品を作り出す。
○使用済製品、部品、容器を回収し、再使用する。
Recycle(リサイクル)
(消費者の視点)
○資源ごみの分別回収に協力する。
○資源ごみの効率的な分別回収を広める。
○リサイクル製品を積極的に利用する。
(事業者の視点)
○製品を設計する時に、使用後のリサイクルがしやすいように工夫をする。
○製品をつくる時に、できるだけリサイクル原材料を使う。
○使用済みとなった自社製品の回収・リサイクルに努める。
○発生した副産物・使用済製品を効率的にリサイクルする(仕組みづくりを含む)。
空き缶やペットボトルを分別して捨てるだけでなく、様々な実践例があるのですね。皆さんも無意識のうちに3Rを実践していたという方も多いのではないでしょうか。
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3Rの優先順位?
3Rについて、たくさんの具体例を挙げましたが、実はその3Rの中にも優先順位があるのです。
- Reduce (リデュース)
- Reuse (リユース)
- Recycle (リサイクル)
この順番に、優先順位が高いとされています。いったいなぜでしょうか。
全て環境に配慮した活動であり、どれをどんな優先順位で行ったって結局環境に良いのであればどうでもいいような気がしますよね。しかし、考えてみてください。ゴミとなってしまようなものを、そもそも作らなければ、リユースもリサイクルもする必要がありませんよね。
それを作ったり運送したりするためのエネルギーも必要なくなります。結果として、環境負荷がゼロになるのです。
一方リユースは、作製したり運搬したりする段階で、CO2が発生するなどの環境負荷が生じてしまいます。何回か使うのであれば、1回あたりの環境負荷は小さくなりますが、それでもゼロではありませんね。
最後に、リサイクルですが、リサイクルが実は最も環境負荷が高いのです。リサイクルのためには、作製されたものを、リサイクル工場まで運び、それをたくさんのエネルギーを使って新たなものを作り出すための原料とします。その過程で、大きな環境負荷が発生してしまうのですね。
日本で最も「人気」な”R”はリサイクルですが、実はリデュース、リユースの方がより優先度の高い”R”なのです。その「リサイクル人気」からか、リサイクルの知名度が最も高いからか、たまに「リサイクルショップ」なる中古用品販売店を見かけますが、正しくは「リユースショップ」ですね。
リサイクルよりも優先度の高いリユースを行っているお店なので、誇りを持って「リユースショップ」を名乗ってほしいものです。
新しい形のリデュース・リユース?
次に、新しい形のリデュース・リユースについて話していきましょう。新しいと言われても何がなんだかよくわかりませんよね。ここでいう「新しい」とは、主にインターネットや電子機器を活用したリデュース・リユースのことを指します。
新しいリデュース?
では、まず新しいリデュースについて考えていきましょう。近年、急速に電子化が進み、多くの物事がパソコンやスマホ上でできるようになりました。紙媒体の電子化もその一つです。
従来であれば、全て紙に印刷していたものを、電子媒体上に表記することで、紙を使わなくても問題なくなりました。電子書籍を代表として、多くのオフィスや役所での書類がペーパーレスになり、最近では大学入学のための願書も電子化されたと話題になりましたね。
こうした電子化により、紙を使用しない、すなわち紙のリデュースが進みました。現在はまだまだ途上段階で、紙に印刷されているものも多いですが、今後はさらに電子化が進み、紙のリデュースが広がると考えられますね。
こちらの記事も参照してみてください:【知らなかった!】紙リサイクルの基礎知識
また、紙だけでなく映像界においてもリデュースが進んでいます。従来であれば、ビデオやDVD、ブルーレイを買って家で鑑賞していた映像が、そうした記憶媒体がなくともネット上で完結するようになりました。
TSUTAYAやゲオで借りていたから、既にリデュースに貢献していたという人もいるかもしれませんが、現在では貸出のための媒体ですら必要がないのです。Y
ouTubeに代表される動画サイトで様々な動画が見られるほか、NetflixやU-Next、Hulu、Amazonプライムビデオなど、日本や海外の映画やドラマが定額で見放題のサイトも登場しています。こうしたITの進展により、今後様々なもののリデュースがさらに進んでいくのではないでしょうか。
新しい形のリユース?
次に、新しい形のリユースについてです。リデュースだけでなく、リユースも新しい形に進化しているのです。
従来のリユースは、家庭でのリユースの他には「ブックオフ」といった中古本や中古CD、DVDといった仲介会社にリユースをお任せすることが多かったですよね。しかし、現在ではインターネットの発達により、個人間で物のやり取りができるようになりました。
こうしたC to Cの物の移動を大きく広げた媒体として、「メルカリ」や「ヤフオク」「ラクマ」が挙げられますね。これらのいわゆる「フリマアプリ」では、個人が不要になったものを、それを必要とする他人に匿名で販売することができます。
こうした仕組みが整備されることで、従来であれば捨てられてしまっていたものが、他の人の手に渡り、活用されるようになりました。
こうしたフリマアプリの活用で、家にあるゴミが誰かに活用され、簡単にリユースにつながるので、ぜひ実践してほしいです。
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4R、5R、7R、10Rって?
最後に4R、5R、7R、10Rについて触れたいと思います。
現在では、より環境に配慮した資源利用のため、3Rに加え、Refuse: リフューズ(断る)で4R、さらにRepair: リペアー(直す)を加え5Rと呼ばれることもあるそうです。
特に、欧米ではRefuseを加えた4Rが基本であるようです。 例えば スーパーやコンビニでは、不要なレジ袋や梱包は、消費者から積極的にRefuseした方がよいのです。
そもそも不要なものを削減すれば、断る必要すらありません。しかし、レジなどで袋を断ることのできる場面に遭遇した場合には、積極的にRefuseするべきです。Refuseすることができれば、Reuse、Recycleする必要はありません。したがって、4Rの優先順位は以下のようになります。
4R優先順位
- Reduce
- Refuse
- Reuse
- Recycle
さらには、数多くある下記のRから3Rに加えて4つあるいは7つを選び、7Rや10Rと呼ぶこともあるそうです。
Refuse (リフューズ:拒否)ごみになるものを拒否する。製造・流通地点で発生源を断つ
Repair (リペア:直す)壊れても直せるものは修理して使う
Remix (リミックス:再編集)新たな創造のために既にある資源を再編集する
Refine (リファイン:分別)廃棄するときには分別する
Rethink (リシンク:再考する)自分に本当に必要なものかどうか考える
Rental (レンタル:借りる)個人として所有せずに借りて済ます
Return (リターン:戻す)携帯電話など使用後は購入先に戻す
Returnable (リターナブル:戻す)Returnにほぼ同じ。用例:リターナブル瓶(飲料水)
Reform (リフォーム:改良する)着なくなった服などを作り直す
Reconvert to Energy (リコンバート・トゥ・エナジー:再返還する)利用できないゴミは、燃やす時の熱を利用する
Rebuy (リバイ:買う)リサイクルされたものやリユース品を積極的に購入または利用する
Regeneration (リジェネレイション:再生品)再生品の使用を心がける
Reasonable management(Right disposal) (リーズナブル・マネジメント(ライト・ディスポーサル):適正処分)正しく、環境にそった処分をする。
Recreate (リクリエート:楽しむ)または Refresh with Green-Break:(環境保全型余暇を満喫する):環境保全型余暇や自然保全型余暇を満喫することは、潜在的な自然体験欲求の充足のみならず自然環境の保全にも役立つ
React (リアクト:響き合う)または Diffuse:(ディフーズ:広める):自然をわかち合う(シェアリング ネイチャー)機会や場面を増やす事によって環境共育に働きかけることができる
Restore (レストア:復元する)または Reforest:(レフォレスト:再植林する):自然環境の復元や生態系サービスの持続的利用は人類が生きながらえる為の重要な要素である
Wikipedia
終わりに
いかがだったでしょうか。知っているようで、知らなかった3Rの知識もあったのではないでしょうか。4R、5R、7R、10Rといった考え方も紹介しましたが、覚える必要はありません。こうした考え方もあるんだな、と頭の片隅に置いておくぐらいで、基本的には3Rを優先順位を意識しながら心掛けていきましょう。
こちらの記事もどうぞ
10Rより上は?